輸入ビジネスは基本的に在庫あり、有在庫での物販を指しますが、無在庫でも商品を販売することができます。
Amazon的には無在庫販売はNGですが、販売者の事情までは把握していないためです。
無在庫販売でも利益を出している人もいますので、在庫を持たないほうが低リスクなのでは?と思う人も多いでしょう。
今回は在庫ありで販売するのがいいのか、無在庫で販売するのがいいのか、わたしなりの考察を書かせていただきます。
無在庫販売ってなに?
無在庫販売とは
その名の通り、在庫を持たずに販売することです。在庫を持たないので初期投資費用もなく金銭的には低リスクになります。
在庫があると、
- 最悪売れない場合もある
- 不良在庫リスクがある
無在庫販売はそういったリスクをほとんど排除したスタイルです。
本当はAmazonの規約違反なのですが、取り締まるのがむずかしいという状況です。ただし、Amazonはそれを容認しているわけではありません。
あたかも無在庫販売というスタイルが公式に存在しているかのように思うこともありますが、明らかに規約違反なのでわたしはおすすめしません。
どういう仕組なのか?
ざっくり下記の手順です。
- アメリカAmazonで売られているものを、自分は在庫を持っていないにも関わらず日本のAmazonで出品
- そしてお客さんから購入されたときにアメリカAmazonから購入してお客さんに発送。
そのため、
- 発送までにやたら時間がかかる
- 送料も高くつく
- 在庫ありの出品者と比較すれば全く勝負にならない(価格やカート取得において)
その分、リサーチ作業を多くこなしたり、超大量に出品したいり、FBAセラーの在庫切れのスキを狙って販売するのが基本的な戦略となります。
在庫有りと無在庫販売はどっちがいいのか?
在庫ありで販売すべき
まず最初に言えるのは、無在庫販売はAmazonが基本的には禁止しているということです。そのため、バレたらアカウント停止やアカウント閉鎖といった措置が取られることでしょう。
Amazonの出品アカウントは基本的には1人につき1つだけです。1回アカウント閉鎖されればそれまで、あなたのAmazon物販人生は終わりです。
ネット上にはアカウントを再取得する方法があったりしますが、Amazonだってバカじゃないのでいつまでもそれができる状況を放置するとは思えません。出品アカウントっていうのはすごく大切なものなのです。
現時点ではアカウント閉鎖されたらまた作ればいい、で良いでしょうけれども、いつまでもその技が通用するとは限らない、保証はないということを覚えておいてください。
無在庫販売ではそういったアカウントに関するリスクがあるため、やはりここは正攻法でしっかり在庫を持って販売すべきでしょう。
無在庫販売が抱えるリスク
アメリカAmazonの在庫切れ
一番怖いのは仕入先として想定していたアメリカAmazonの在庫切れでしょう。
在庫を持たずに販売していて、お客さんから購入があったとします。購入されたらアメリカAmazonから購入して発送するわけですが…アメリカAmazonで在庫切れになってしまった、というパターン。
こうなるとお客さんに商品をどうにも届けることができません。
出荷前にキャンセルということをしなくてはならないのですが、これを何度も繰り返しているとアカウント停止・アカウント閉鎖の可能性が高まります。
出荷が遅い
FBAを利用していればお客さんが購入してから翌日ぐらいに届けることができます。しかし無在庫販売の場合は購入されてから海外より発送になりますので、早くても1週間近くかかってしまいます。
この時点でカートボックス取得の競争にはまず参加できません。ゆえに売れない。
設定で出荷を早くすることもできますが、実際にはどうやっても早くお客さんのもとに商品を送り届けることができません。
カートボックスほしさにそういったことをする人がいるようですが、結局出品者としのてパフォーマンスを下げてしまい売上ダウンやアカウント停止・閉鎖へとつながります。
膨大な量のリサーチが必要
無在庫販売をしている場合にはカートボックスを取得するのがむずかしいため、基本的にはFBAセラーがいないスキを狙うしかないのですが、そのためには大量の商品を扱わなければなりません。
わたしはだいたい500種ぐらいの商品を扱っていましたが、無在庫販売の場合はもっと多く扱わないといけないでしょう。2,000とか、そのぐらいは必要ではないでしょうか。
それだけのリサーチをするというのが大変ですし、それだけ時間かけてもやっぱり売れない…。
価格を高く設定せざるを得ない
輸入ビジネスをまっとうにやっている人であれば、大量にMyUSに荷物をためて一気に転送するというやり方でしょう。そのため、一回の送料がかなり安くすることができます。
ですが、無在庫販売の場合はこの一気に転送ということができないため、1商品あたりの送料が大きくなってしまいます。FBAセラーと比較して発送の速度だけではなく価格でも勝負ができないわけです。
FBAセラーからすると無在庫販売セラーはまったくライバルにならない、眼中にない空気のような存在でしかありません。
在庫ありと無在庫のハイブリッドセラーもいる
わたしがセラーリサーチをしていたとき、在庫ありと無在庫のハイブリッドセラーがいたのを確認しました。
これはなかなか賢い戦略だなぁとも思ったのですが、無在庫で出品しておいて実際に売れるかどうかをたしかめていたのでしょう。
はじめから在庫を抱えていると、しっかりリサーチしたはずなのになぜか不良在庫になってしまった、ということが多々あります。
そのためにテスト仕入れというのをしていくわけですが、そのテスト仕入れすら不良在庫になってしまうこともあります。
それを回避するために無在庫でテスト販売していたのでしょう。まぁそれでも結局無在庫販売していて出荷前キャンセルになってしまうようであればやはりリスクは高いと言わざるを得ません。
完璧に商品を管理できるのであれば、こういった戦略もありかもしれませんね。
まとめ
- 在庫ありと無在庫販売なら在庫ありのほうが良い
- 在庫ありのほうが長期的に見てリスクが低い
- 無在庫販売ではカートボックスをほとんど取得できなくて売れない
- 売れても出荷前キャンセルになるかもしれない
- 出荷前キャンセルはアカウントへのダメージがでかい
無在庫販売はわたしとしてはおすすめできません。そもそもAmazonの規約違反ですのでやるべきではないでしょう。
無在庫販売は売れないうえにリスクばかりが目立ちます。アカウト閉鎖したらまた作ればいいと思うかもしれませんが、いつまでAmazonがそれを容認するかが問題です。
近いうちに出品アカウント作成には本人証明やら必要になってくるのは間違いないでしょう。