輸入ビジネスでリサーチをしていると、キャラクターもののボトルなんかがよく売れていて儲かる商品だったりしますよね。
でもちょっと待ってください!その商品は食品衛生法にひっかかるかもしれません。
食品衛生法って名前からして食べ物だけのように思われてしまうこともありますが、『人の口に入るものすべて』と捉えてもらったほうが確実です。
今回は食品衛生法について書かせていただきます。
食品衛生法ってなに?
食品の安全を確保するための法律
飲食に関する衛生上の危険を回避するための法律です。食品はもちろんのこと、器具(食器や調理器具)や容器にも対象です。
規格基準を満たしているのか検査をして申請を出す必要があります。
たまにzipロックみたいなプラスチックの食べ物を保存るためのパックを見かけますが、あれも対象です。食品が触れるもの、間接的に人の口の中に入るものもNGということです。
『人の口に触れるもの』がNGと思っている人が多いのですが、正しくは『間接的に人の口に入る物』ですので、フライパンや鍋といった調理器具も規格基準を満たしていなければアウトです。
なぜNGなのか?その本質を少し考えてみましょう。
食器や調理器具って高温にさらされることってありますよね。レンジでチンしたりとかアツアツのおでんとか。
それによって食器・容器がとけてしまい、食品が汚染されてしまうことがあります。
汚染された食品が人の口に入ることで、健康被害へとつながるっていうことが食品衛生法に書かれています。
溶けてないよ!って思っていても目には見えないぐらいの量が溶けていることもあります。
他にも、フライパンや鍋は使い込むとハゲてきますよね。ハゲた金属が食べ物にまざり、体内に取り込まれていくかもしれません。それが有毒なものだったら…?
なので、しっかり規格基準を満たしているのか検査をして申請を出す必要があるのです。
ちなみにT-falのとあるフライパンとか鍋は金属がハゲて体内に入ってしまっても、ちゃんと排出されるような素材を使ってるみたいです。T-falに直接問い合わせた事がありますのでガチ。
関税法には書かれてないけど、販売目的で輸入してはいけない
輸入できないものは関税法で決まっています。
ところが、関税法ではボトルとか調理器具とかは輸入してはいけないなんて書かれていないのですよね。
後ほど説明しますが、食品衛生法に販売目的で輸入してはいけないってしっかり書いてあります。
販売するにはしっかり申請をしなければならないということです。
逆に言うと個人での輸入はOKということでしょう。営業上の使用がダメだと書かれていますので。
その法律の穴をついて、『輸入してしまえばこっちのもの!Amazonで売ってやるぜ!』ということが実質可能になってしまいます。
販売してしまったら完全にアウトですので、わたしは立場上、許可なしなら販売しないようにしましょう、と言っておきます。
ですが、そういうスキマをついて稼ぐ人が輸入ビジネスでは多いですし、楽に大きく稼げます。
以前お話したことがあるのですが、スタバのニセモノのスマホケースを大量仕入れ・大量販売していた人が逮捕されました。
100以上といった大量仕入れしているぐらいですので、それなりに稼げていた・稼ぎやすかったのではないかと思います。こういったギリアウトライン(ホントは完全にアウト)みたいなところはライバルが少なかったりしますので。
わたし個人としては、Amazon規約の違反はしてもいいけど違法行為はダメだと思っています。アカウント閉鎖は許せるけどリアルアカウント閉鎖は許されない。
ただし、どう攻めるかはあなたしだいですし、わたしは立場上、違反・違法行為を推奨はしませんけどね。
どんな商品が対象なのか?
食べ物
食品衛生法という名前の通り、食品は輸入して販売することがむずかしいです。日本で販売するためには申請を出す必要があります。
一応軽く説明しますが、食品衛生法にかかれていることは『腐った物は売っちゃダメ』とかそういったことが書かれています。
Amazonでも申請が必要だったりしてすこし厄介です。個人の輸入ビジネスではまず扱うことはないと思いますので、ここは説明を省きます。
食器や調理器具
食品衛生法は食品だけかと思っている人もいるかもしれませんが、食べ物が触れるものも対象です。
ここ、誤解している人が多いところです。
- 『人の口に触れるものがNG』、というより、『食品が触れるものがNG』、が正しい。
ゆえに、皿とかフライパンはOKみたいに思われている人もいるようですが、NGです。もちろん申請通しているなら大丈夫ですが。
食品衛生法は人の口に入るものを規制する法律なわけですが、間接的に人の口に入るものもNGというわけです。
日本の製品であればしっかり日本基準で検査をしていますので問題ありませんが、海外の製品はわざわざ日本の基準に合わせて作っているわけではありません。
輸入して販売するには、しっかり日本基準の検査をする必要があります。もちろん輸入者が。
あかちゃんのおもちゃ
人の口に入るものがNGって言ってるのになぜあかちゃんのおもちゃもNGなのか?
あかちゃんって何でもかんでも口にいれちゃいますよね。うちのこどもは2歳になってもまだまだなんでも口にはこんでしまいます。
日本ではあかちゃんのおもちゃは口に入ることが前提になっていますので、食品衛生法の対象となるわけです。
海外の製品もそういったことはきっと想定して作られているとは思いますが、当然販売するには日本基準の検査が必要となります。
特にあかちゃんのおもちゃは怖いです。あかちゃんって繊細ですからね。ホントにちょっとしたことでアレルギーになってしまったり、いつも食事には気を使います。
そんなですから、日本基準を満たしていない成分が入っていてあかちゃんがぺろっと舐めてアレルギーなんて起こしたら…。
さらに最悪なことにアナフィラキシーショックでも起こしたら…。鉛が体内に入ってしまったら…。
販売するとどうなるか…
最悪の場合はお客さんに健康被害をもたらす
これは別にあかちゃんに限った話ではありません。大人だって健康被害を受けるかもしれません。
日本の製品は品質がよくて、販売しているものだって抗菌済みで買ってすぐ使える物が多いです。
でも、海外の製品はどうでしょうか?日本ほど潔癖な感じはしませんよね。
日本人は、製品は抗菌されているのがもはや当たり前であり、買ってその場で使えるという認識でいますが、そんな人が輸入してきた製品を使ったらどうでしょう?
実は不衛生であやしいエボラなんとかウィルスや菌がついているかもしれません。MyUSにはお客様の荷物を汚してくれるステキなサービスが無料でついてきますからね。(なおオプションは外せない模様)
かるく上述していますが、食器や容器がとけて食品が汚染されて、それが体内に入ってしまったらどうでしょう。
特に『鉛』って怖いのですよ。鉛が体内に溜まってしまうと鉛中毒になりますからね…。
罰則と罰金
罰則と罰金については食品衛生法の第十一章にかかれています。
ヤバイ食品(腐った食べ物とか)を作ったり売ったりすることが一番罪が重いわけですが、輸入ビジネスでは当てはまる人が少なそうなので省きます。
輸入ビジネスに当てはまるのは第七十二条の罰則で、2年以下の懲役、もしくは200万円以下の罰金です。
これは何をするといけないかというと、食品衛生法の第十六条を違反したものによるものです。
食品衛生法の第十六条を簡単に説明しますと、有害な物質が付着しているかもしれない器具を販売すること、販売のために輸入することです。
PSEマークのお話出もしていますが、法人だとさらに罪が重く、1億円以下の罰金となります。
賠償命令
健康被害ってやつはホントに怖いです。人を死なせてしまうこともありますし、四肢麻痺といった死なないけど介護が必要になるケースだって考えられます。
賠償命令も家をこわしてしまったとかそういうレベルのものではありません。高確率で億単位の話です。地上波デビューもしちゃいます。
同じくPSEマークの話でも書いているのですが、そもそも違法な輸入と販売をしていますのでPL保険では対応できないでしょう。
販売してしまったらどうなることやら。販売してしばらく何事もなかったからもう大丈夫、というわけではなく、こういうのは時間が経過してから問題が発生しますからね。
もし販売してしまったら自主回収したほうが良いかもしれません。実際にわたしは自主回収しましたし。
まとめ
- 食品はもちろん、食品が触れる器具、あかちゃんのおもちゃも食品衛生法の対象
- そもそも輸入してはいけない。販売はもっとダメ。
- 最悪の場合は健康被害の可能性あり
例のごとく書かせてもらいますが、懲役刑くらったらリアルアカウント閉鎖で、賠償命令くらったらリアルアカウント再取得不可の人生営業終了です。
賠償命令は自己破産しても消えませんのでご注意を。(破産法より)
副業でも輸入ビジネスなら月収10万~20万は稼げたりします。しかしそのために法律を違反してまでやるのは愚かであるとしか言えません。
人命やリアルアカウントの大切さに比べたら10万~20万なんて小銭です。いや、お金と比較なんてできませんね。
月100万稼げたとしても、人を傷つけたり病気にさせて良い理由なんてありません。
目の前の小銭に惑わされず、しっかり法律を守って輸入ビジネスで稼ぐことをおすすめします。
余談
いろいろ怖いこと書いていますが、購入するお客さんにとって一番良いことをする、という気持ちがあれば自然とこういった怪しい行動はしなくなります。
でも『俺は金が一番だ!』と自分の利益しか考えていないと、平気で人は悪になります。簡単に犯罪行為をしちゃいます。
お金が一番大切なのは間違いないです。でも、お金が一番大事だからこそ、ユーザー・ファーストでやっていきましょう。
わたしのモットーなのですが、『人と世を満足させれば、お金はあとからついてくる』と考えています。
ただ、そうやって稼ぐお金は違法行為をしたり、犯罪に手を染めるよりむずかしいし、稼ぎにくいです。
ですが、自分が正しいと思うことをして得たお金は、自分自身が人や社会に貢献した結果、評価なのだと受け止めるようにしています。
収入が少ないのであれば、それは力が足りないだけでしょう。
あなたがどうやってお金を稼いでいくかは、あなたが自身が決めてくださいね。