輸入ビジネスはリスクが小さいとよく言われますが、ゼロではないということをよく理解しておいてほしいです。
トータルで見ると金銭的なリスクはたしかに小さいのですが、意外にしっかりリスクが見えていない人が多いのも事実。
今回は輸入ビジネスを行う上での代表的なリスクについて説明させていただきます。
輸入ビジネスにおける10のリスク
1.Amazonアカウントの停止・閉鎖
Amazonで販売する以上、アカウントの停止・閉鎖は常につきまといます。
Amazonは「ユーザー・ファースト」ですので、購入者からの、

という一声で簡単にアカウントが止められてしまいます。
もちろん、適切に対処すれば解除されることが多いのですが、販売停止期間が発生するためキャッシュが回らなくなるといったリスクが発生します。
ちなみに、アカウントの停止は販売できなくなるだけですが、アカウント閉鎖はいわゆるアカウント削除と同義で復活できません。
アカウント閉鎖された場合は新規アカウントを取得するしかないのですが、名前や住所、IPアドレスといった個人情報もまるごと変えないと取得できません。
2.同業者、悪質なお客さんからの攻撃
「ユーザー・ファースト」なAmazonというプラットフォームの脆弱性をついた攻撃です。
商品が購入されたが、コンビニ支払いで一向に支払われない、間違いなく新品のはずなのに中古だったと言われ、自宅に転送して確認してみると中身が中古にすり替わっていた、並行輸入品の商品ページなのにうちが正規店だ!今すぐ出品を取り下げないとAmazonに通報する!と脅される。
これらはすべてわたしが体験してきたものです。現状ではどうにも対処することができません。

報復されるとなると、今度はこいつ偽物売ってるぞ!とAmazonに通報されアカウント閉鎖につながるかもしれません。
対策としてはくじけない心、強いメンタルを身につける以外にありません。
3.お客さんからの悪い評価
Amazonは「ユーザー・ファースト」です。お客様第一主義ですので、お客さんからのクレームはアカウントにダイレクトに反映されます。
悪い評価は配送の問題、商品レビューのような内容だとクリックひとつで削除可能ですが、商品のコンディションに関するものは削除できないことがあります。

わたしが体験したのは、1年でもっとも売れる時期で1日5万の売上があったのに、突然ゼロになりました。
対策としては、お客さんから悪い評価がついてしまった場合には、全額返金での対応はもちろん、多めに返金してなんとしてでも悪い評価は消してもらいましょう。
4.リサーチ・仕入れ判断ミス
リサーチ・仕入れ判断には経験が必要です。これは成功と失敗を繰り返していくしかありません。
初心者に多い悩みとしてリサーチがうまくいかないというのはよく聞く話です。
直近で5個以上売れている、3ヶ月で10個売れている、利益率20%以上、ライバル数は5人以下…。人それぞれいろいろなリサーチ・仕入れ基準があります。
しかし、数字だけでは判断しきれない部分があるのです。
対策としては、最初から多く稼ごうとはせず、最初の仕入れはどんな商品でも1個だけにする、1回目の仕入れは10万~20万円以内に抑えるようにしましょう。
5.輸送事故
たとえばAmazoから仕入れた商品は、Amazonから転送会社のMyUSへ、MyUSから飛行機に乗って日本、そこから陸路で自宅に届きます。
結構長い経路ですので、そのどこかで事故が起こる可能性は高まります。たまに、荷物が丸ごとなくなった、荷物にフォークリフトがつっこんだ、という話を聞きます。
ちなみにわたしも1度だけ荷物が入ったダンボールが1個なくなったことがあります。MyUSに相談したところ、「保障オプションつけた?つけてない?つけてないなら保障はできないよ」と返されて終わり。
MyUSの保障オプションは毎回つけると結構な金額ですので、つけないのが一般的です。保障オプションはなしにした分、できるだけ利益率の高い商品のみ仕入れる、いつか起こる輸送事故に備えてガンガ稼ぐつもりでいきましょう。
6.不良在庫
リサーチ・仕入れ判断を適切に行っていても、不良在庫となってしまうことはあります。その原因はリサーチ時にはライバルは少なかったのに、納品したら急激にライバルが増えていた、などです。
一ヶ月で何百個と売れている商品であれば良いのですが、一ヶ月で5個しか売れていない商品にライバルが30人くらい増えてしまうと、しばらくは売れないでしょう。
価格を下げてもライバルの中には価格改定ツールを使っている人もいます。どれだけ差をつけようと価格更新しても自動追尾してきます。
価格で差をつけるしかないのに価格で差をつけられない。カート価格に合わせつつ、売れるのをただひたすら待つしかありません。気長に待つと今度はキャッシュが回らないという問題にもつながります。
対策としては、やはり最初の仕入れは1個、2回目は2,3個、と徐々に増やしていくことです。何事も「検証」って大切です。
また、急激にライバルが増えることを想定し、「最悪、何円で販売することになっても許容できる」ということを意識しながら仕入れるのがおすすめです。
利益率が高い、利益額が多い、とってもおいしい商品にそういった傾向がありますので、いくら数字が良くても飛びつかないようにしましょう。
7.キャッシュが回らない、支払いに間に合わない
わたしが体験した限りでは、多くの方がそれほど多くの軍資金を持っているわけではなさそうでした。輸入ビジネスをはじめる上で、軍資金は多くて100万円ぐらいかもしれませんね。
ですが、はじめたばかりのころは100万円もあれば十分でしょう。軍資金100万もあれば月利10万円は余裕を持って達成可能です。しかし、現実には30万程度で輸入ビジネスをはじめる方も多いようです。
主にキャッシュカードを使って仕入れをすることになるのですが、軍資金30万で100万円ぐらいの仕入れを行うとなると、かなりテンポよく売りさばいていかないと支払い請求時にお金を用意できないということになりかねません。
支払い請求を遅延させると信用が落ちてしまうため、赤字でもどんどんうりさばいていかなければならず、よりいっそう儲けが出しづらくなります。
8.計算間違い
おそらく多くの方が一度はおちいるのが計算間違いです。輸入ビジネスを実践している方でもエクセルを満足につかえていないという人は多いですからね。
仕入れ時に予想原価、経費を計算するのですが、ここは100%狂いなく計算することはほぼ不可能です。たとえば送料などはおもに重量をもとに計算しますが、重量だけでは決まらないことも多いです。
1円たりとも間違いなく計算するぞ!という気持ちで計算しましょう。
できればマージンを持って計算するのが良いです。たとえば、為替レートが1ドル110円であれば、1ドル115円で計算する、1gあたりの送料は1.5円で計算する、など。
9.不良品・返品
商品を販売する以上、不良品・返品はつきものです。どれだけしっかり検品していても発生するものです。
仕入れた商品がすべて売れるわけではありません。輸送による事故もありますので。
毎月、不良品や返品がどれだけあったのか、しっかり記録してきましょう。そこから「不良品・返品率」を計算します。
「毎月これだけの不良品・返品があるから利益率はいくら以上にしよう」、といった対策が取れるようになります。
10.購入後の事故
Amazonを使って物販をしていると、相手にしているのはお客さんというよりAmazonという気持ちになってきます。
実際に購入しているのはお客さんです。購入した商品で事故が発生してしまうこともあるでしょう。
購入後の事故についてはPL保険に加入することによってリスクを大幅に下げる事が可能です。お金は保険で解決できます。
しかし、大きな事故が発生した場合には裁判所に行かなければならない、といったこともあるかもしれません。

PL保険は重大な過失がある場合には適用されません。注意しましょう。
あらゆるリスクを想定して安全だと判断しても、どんな事故が起こるかなんて仕入れ時、販売時にはわからないことが多いです。この件については覚悟を持って販売をしていく、としか言えませんね。
まとめ
いろいろとリスクについて説明させていただきましたが、お金のリスクについてはほとんど解決可能です。輸送事故とか不良品とか返品とか、すべてその分を予想して利益率の高い商品を仕入れるようにし、損失が出たぶんだけまた稼げば良いのです。
やはり怖いのはアカウントに傷がつくようなものですね。悪い評価がつく、アカウントが停止する、閉鎖する。こういったものは売上がストップしてしまうのでその後の対応が面倒です。
どれだけまっとうにやっていてもこういったリスクは避けようがないものがあります。物販は投資とは違いますので、輸入ビジネスに取り組むにはある程度の覚悟とメンタルの強さが必要です。