輸入ビジネスで商品を販売していたら赤字になってしまった…損切りしようか、どうしようか?と悩んだことはないでしょうか。
損切り、ロスカットとも呼びますね。損切りはお金の流れを健全に保つために一番重要な行為とも言えます。
わたしが輸入ビジネスにおいて一番大切だと感じていることがキャッシュフロー、お金の流れです。
多くの人がやってしまいがちなのですが、赤字になると価格が戻るまで待とうとします。価格が戻るのを待っていいのは一部の商品に限ります。たとえばDVDとか。
損切りをためらってしまうあなたへ、今回はわたしなりの損切りが必要な理由と判断基準について書かせていただきます。
損切りが必要な理由
キャッシュフローを健全に保つ
キャッシュフローを健全にすることが一番大切なのですが、では何を持ってしてキャッシュフローが健全であると言えるのでしょうか?
輸入ビジネスはクレジットカードを使ってを仕入れをしますが、支払いまでの期間は最長で2ヶ月です。たとえば、1月のはじめに仕入れをしたら2月の終わりに請求が来る、という感じです。
1月のはじめに大量に仕入れて請求がくる2月の終わりまでに、仕入額の100%を回収していればお金はしっかり健康的に回っていると言えます。
極端な例え話ですが、これが80%程度しか回収できなかったとすれば、毎月仕入れをするたびに20%ずつ自分の資金が減っていくことになります。
減ってしまう資金をさらに仕入れを増やしてお金を回収する、ということをやっていると、自転車操業となるわけです。
自転車は走っていれば倒れない。でも止まれば倒れる。輸入ビジネスの自転車操業も仕入れを止めれば倒れないけど仕入れが止まれば倒れる、破産する。
輸入ビジネスの場合は悪いことをしていなくても同業者の攻撃でAmazonアカウント停止・閉鎖ということもあります。
こういったことも考慮してカツカツで資金を回すのはおすすめしません。わたしとしては、投じた金額の2倍の資金は持っておいたほうが良いと思っています。何が起こっても最悪借金だけは絶対に返済できる、という状況にしておく。
不良在庫を抱えない
いくら資金があったとしても不良在庫は害悪以外の何者でもありません。
在庫を抱えている分だけAmazonの保管手数料もかかってしまいますし、年を越すと在庫に対して税金がかかります。在庫は資産ですので。
そんな資産である在庫なのに、いざ販売してみると赤字…。赤字じゃなかったとしても売りさばくのに時間がかかってしまえば、それにかかってきた保管手数料はいくらだったのか?
また、Amazonには長期保管手数料というものがあり、ある一定以上の期間が経過するとさらに上乗せで保管手数料が課せられます。
資金がたくさんあるから焦って損切りしなくても大丈夫、と思っていても、それは結果的に赤字を膨らませているだけの可能性が高いです。
現金化させないと儲かっているのかわかりづらい
財務に詳しい人であればそんなことはないのかもしれませんが、やはり現金化させないとイマイチ儲かっているのかどうかよくわかりません。
これはわたしが輸入ビジネスを引退した理由の1つでもあるのですが、わたしはキャッシュフローというか財務について大切と認識しつつも危機感がなかったです。
わたしの場合は、
- 資金が1,000万円以上
- 会社とその他副業で年収が900万円を超えていた
- お金にはほとんど困っていない
- 持ち家もあるので、完全なる余剰資金の1,000万円
おそらくそういった環境がわたしから緊張感・危機感を奪った、マヒさせたのだと思います。
多い時で1ヶ月で200万円~300万円ぐらい仕入れたでしょうか?副業、1日1~2時間、わたしにはこれが限界でした。
毎月やってくるクレジットカードの100万超えの請求。漠然とした不安があったものの、その不安の正体がわからないし、『資金は潤沢にある』という気持ちが危機感を薄めていました。
しっかりお金の流れが見えていれば不安もなかったろうし、危険かそうでないかも判断できたでしょう。
輸入ビジネスにはリサーチや目利きみたいな力が大切です。しかし、わたしは中でも財務の知識・力が一番重要だと考えています。財務に力を入れられなかったわたしはいつか輸入ビジネスで破産するだろうと考え撤退です。
潤沢な資金があったとしても財務の知識がなければ撤退を余儀なくされる、ということです。黒字倒産は十分ありえます。
しっかり現金になってからはじめて儲かったと言えるのかもしれませんね。赤字になって損切りすることになったとしても、現金化することはとても大事です。
価格がいつ戻るのか予想するのがむずかしい
自分が販売している商品が価格崩壊して赤字になってしまい、価格が戻るのを待ってみようかな、と思う人もいるでしょう。
しかし黒字化待ちはたいてい良い判断とはいえません。一部の商品、DVDなどは待ってみても良いとは思いますが。
また、自ら価格崩壊を誘発して刈り取ってしまうのも手です。
何も対策をせずに黒字になるのを待つ、というと、それはいったいいつ戻るでしょうか?予想するのはほぼ不可能です。
もしかしたら1ヶ月後かもしれないし、最悪1年後かもしれません。これが1商品ぐらいならまだ許せるかもしれませんが、赤字確定させるのがイヤだから待ってみようと考える人はたいていその他の商品も待つでしょう。
そういう人は考え方を変えて、赤字を確定させてお金を回収し、次の仕入れのための資金に回したほうが良いです。仕入れを繰り返した分だけリサーチ・仕入れの基準も厳しくなりますしね。
損切りの判断基準
DVD以外の基本戦略は赤字になったら損切り
基本的にDVD以外の赤字商品は損切りします。価格が戻ることに期待するより赤字を確定させてお金を回収したほうが健全です。
赤字で損切りすることは心に痛みを伴いますが、慣れです。できるだけ赤字を直視したくないという方は、プライスターに価格改定と売上管理をまかせてしまったほうが良いでしょう。
ちなみにわたしもプライスターにおまかせしています。毎日商品が赤字になってしまったりするのを見ていると精神衛生上よくないので。
ライバルが3人以上なら損切り
DVD以外の商品でも黒字になる可能性もあります。それは、数人のセラーのみが損切りをしているだけで、他のセラーが追従していないパターンです。
たとえば、1,500円で売りたいところ、カート価格が1,000円に更新されたとします。しかしこれに設定しているのは3人程度。
カート価格に追従していないセラーが10人ぐらいいれば、それは価格が戻る可能性があります。他のセラーはその商品が1,500円で売れるということを知っているセラーです。
商品には適正価格というものがあります。いくらが適正価格なのか?はモノレートや他のセラーの動向から読み取ることができます。
逆にみんな一斉に値下げをしだしたらそれにはついていくべきでしょう。自分より価格が下に設定されたセラーが何人いるのか?在庫はいくつあるのか?
一ヶ月に売れる個数がXX個だから待っていたら売れるまでにXXヶ月かかる…ということを考えながら損切りするかどうかを考えます。
出品してから2ヶ月超えたら損切り
ライバルが不在で価格が適正であっても売れない時があります。そういうときは自ら先陣をきって価格を下げて売り抜けます。
その基準は出品してから2ヶ月です。売れる商品は売れるべくしてすぐに売れていきますが、2ヶ月経過したものは売れない商品といっても良いでしょう。
リサーチはしっかりやっていたのに…それでもなぜか不良在庫になってしまうものです。理由はよくわかりませんが、今まで安定して売れていたのにピタッと売れなくなることってあるんですよね。
クレジットカードの支払いが最長2ヶ月ですので、遅くとも3ヶ月経過するまでには商品すべてを売りさばいておきたいものです。
いつまでもだらだら、ずるずるやってしまうとあなたの在庫が不良在庫で埋め尽くされます。
ヤフオクは使わず、Amazonで損切り
よく損切りはヤフオクだのメルカリだの言われていますが、わたしはAmazonで損切りするようにしています。
Amazonの並行輸入品は安かろう悪かろうの品ですので、安ければだいたい売れます。そして並行輸入が定着しているのがAmazonです。ヤフオクやメルカリでは並行輸入品を売ってもいまいち食いつきが悪いように感じました。
いちいち販路を買えるのも手間ですのでAmazonで損切りします。販路を買える手間を節約して別の作業に時間を使うようにします。たとえばリサーチとか仕入れとか。
まぁ中にはいくら値下げしても本当に売れないやつもいますが、そういうやつは廃棄まで視野に入れておいたほうが良いでしょう。
まとめ
- 損切りは必須
- お金の流れを健全に。
- 不良在庫をかけないように。
- 黒字化待ちはたいてい悪手
損切りできるかできないかで輸入ビジネスプレイヤーとしての質がわかります。赤字になってしまったのではなく、赤字を確定させたというだけのことです。
どんなにがんばっても赤字は発生しますので、どんどん損切りしていきましょう。損切りしすぎて資金が減ってしまった!というのであれば、それはリサーチや仕入れに問題があります。
むしろ、損切りをすることによってリサーチや仕入れに問題があるということが明確になるのです。もし黒字化待ちなんかをしているとそういうった問題があることにすら気づけません。
気がついたら自分の在庫が不良在庫で埋め尽くされてしまったり、クレジットカードの支払いができなくなったりすることもあるでしょう。とにかくそれだけお金の管理は大切であり、損切りをすることでいろいろと明確になるというわけです。